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2007年9月

翻訳者・通訳者のここが知りたい!!(Part 3)

みなさん、こんにちは!コーディネーターNonです☆

本ブログでも、毎回ご紹介している「通訳と翻訳」

両方ともある言葉をもうひとつの言葉へ変えていく作業なわけですが、実際の
仕事となると作業も身につけるスキルも実は大きく違います。

そこで、翻訳を手がけながら、通訳も担当する社内翻訳者Mさんに以下の質問を
聞いてみました。


How does interpretation and translation differ?
通訳と翻訳の違いとは?


なんなく分かるようで、想像以上に違う2つの世界。
Mさん、よろしくお願いします。


(以下、Mさん)


There are numerous differences between the highly interconnected fields of
interpretation and translation. The core connection being that the prime
objective of each field is to have a source language rendered into a target
language. However, the core difference is that interpretation deals with
spoken communication whereas translation deals with written communication.

通訳と翻訳は非常に関連の強い分野ですが、多くの違いがあります。
最大の共通点ともいえるのが、どちらも「ソース言語をターゲット言語にする」
という点を目的にしていること。そして根本的に異なるのは、通訳は話し言葉
を扱う一方で、翻訳は書き言葉を扱うということです。


Although this difference is often overlooked in that either of the two words
is mistakenly used interchangeably, each field is inherently situated at
opposite ends of the spectrum and requires rather different skills and
considerations.

しばしば、翻訳のことを通訳といったり、通訳のことを翻訳と表されたりするこ
ともありますが、両者は同じ分野でもそれぞれ両極に位置していて、求められ
るスキルや対価も異なります。


Another major difference is what the medium, or in other words the
interpreter or translator, has to work with.

もう1つの大きな違いは、それぞれの媒体、つまり、通訳者と翻訳者が何を扱
うかということです。


A translator usually has a hard copy (paper or electronic) of the intended
translation, however, an interpreter, depending on whether the job is
consecutive interpreting, simultaneous interpreting or whispering and so
forth, generally has to take notes or memorize what they need to interpret
on the spot or over the course of a job.

翻訳者は通常、訳す対象はハードコピー(紙媒体や電子媒体)です。
一方、通訳者の場合は、一般通訳でも同時通訳でもウィスパリングでも、一般
的に、その場で、または通訳時間内で訳す内容をメモするか記憶しなければ
なりません。

Basically, a translator can take their time to understand and decode their
hard copy and subsequently edit and submit a final translation. In contrast,
an interpreter must act in the little time they have to decipher and convey
an unedited message, and because of the nature of this, a lower accuracy
rate for interpretation is generally expected and accepted in comparison
with translation.

基本的に、翻訳者は翻訳対象のハードコピーを理解して、最終的に翻訳物と
して仕上げるまでにある程度時間をかけることができます。逆に、通訳者は
短い時間での内容理解と伝達が求められます。そして、その性質上、通訳で
求められる精度は翻訳のそれより低いのが一般的です。


Being able to do one does not mean that you can do the other.
Each respectively requires certain types of skills, knowledge, consideration
and training.

もっとも、片方ができるからといって、必ずしももう一方もできるということでは
ありません。


Although desirable, interpreting does not actually require a person to be able
to read or write the source language. As long as they are able to understand
the source language and proficiently interpret it into the target language,
there should be no problem with the task of interpreting alone.

両者とも、求められるスキルや知識、対価やトレーニングは異なります。
あるには越したことはありませんが、通訳の場合はソース言語を読み書きす
る能力は実際には求められません。ソース言語を理解し、巧みにターゲット
言語へとアウトプットできれば、通訳だけの仕事をする上では何の問題もあ
りません。


On the other hand, because translation deals with the written language
itself, reading of the source language is a prerequisite, however, funny
as it may seem, the ability to actually write it may not.

一方で、翻訳の場合は書かれた言語そのものを扱うわけですから、ソース
言語の読解力は不可欠です。ところが、おかしいと思われるかもしれませ
んが、実際に書く能力が必ず必要かというと、そうでもないのです。


Evidently, the main difference is the way in which each trade is extracted and
applied – one through written text and the other through verbal word.
Nevertheless, both possess a common function and mutual goal, yet, at the
same time, employ a different means to get there.

つまり、通訳と翻訳は、「どうやってソースから抽出し、どうやってターゲット
に適用するか」という方法が異なります。片方は文書を介し、片方は口語
を介しているわけです。翻訳と通訳は、共通の役割と目的を持っていますが、
目的までに至る手段が異なります。


Mさん、ありがとうございます。
翻訳と通訳、共通の役割と目的を持ちながらも、フタをあけると全く違う世界
というのはとても興味深いですね。 言葉...本当に広く深い世界です。

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翻訳者・通訳者のここが知りたい!!(Part 2)

コーディネーターNonです。みなさん、いかがお過ごしですか?

夏もあと少しで終わってしまいますね。夏が大好きな私には残念ですが、本を
読んだり、勉強したい何かと過ごしやすくなってきたのは嬉しいです!

きっと翻訳者の皆さんも同じ気持ちではないでしょうか?

ということで・・・ 「翻訳者・通訳者のここが知りたい!」 2つめの質問はこれ!


When do translators study? (翻訳者の人っていつ勉強するの?)


んー!確かに!いつも新しい案件をこなしていくだけでも大変なのに、翻訳者の
皆さんは一体、いつ、どのように勉強しているんでしょう?

前回に引き続き、翻訳者Dさんに聞いてみました。


(以下、翻訳者Dさん。)


Translation is an ongoing learning process. Languages are ever-changing as
technology and services continue to be introduced at a rapid pace.

翻訳の勉強に「終わり」はありません。言語は、技術やサービスと同じで、常に
ハイスピードで変わり続けています。


What does this mean for translators?

言語を扱う翻訳者にとって、必要なこととは何でしょうか。


If your translation field is specific, such as IT, law or medicine, you must have
a deep understanding of the content before you enter the translation business
(often a prerequisite for hiring). For the most part, this requires knowledge
acquired through formal study, such as at university, as well as language ability.

ITや法律、医療など、専門分野がある場合、翻訳の仕事を始める前にその分野
に関する知識を深めておく必要があります。専門知識が翻訳者の必須条件とな
る場合もあり、言語能力だけでなく、大学などで学んだ専門知識が問われること
もあります。


However, even if you have a solid background in your translation area, you still
need to keep abreast of the latest information.
A few months away from translation can leave you way behind your counterparts
when it comes to understanding the latest terminology, etc. If you take a break
from translation, keep up-to-date with new releases and developments in your
own language, just as you would if you were translating on a daily basis.

しかし、たとえ専門知識があるからといって、油断は禁物です。
ほんの数ヶ月翻訳から離れるだけで、最新の専門用語についていけなくなってし
まうこともあります。翻訳を一時中断する場合でも、日常的に翻訳しているときと
同様に、常に最新の情報に注意する必要があります。


If your translation field is general (non-specific), there is no way you can prepare
yourself for what may or may not come your way. In this case, all you can do is
familiarize yourself with useful Internet sites to act as your tools of the trade,
such as Wikipedia, dictionaries and glossaries, as well as become proficient at
researching information via the Internet using keywords.

一方、特に翻訳の専門分野がない場合は、事前に準備できることは何もありませ
ん。この場合、大事なのは、「検索上手」になることです。Wikipedia辞書、用語
集などのウェブサイトを作業ツールとしてフル活用し、知識や情報をどんどん収集
しましょう。


Only after receiving a translation request can you start studying up on that
particular area. In this case, as you translate you may make new discoveries about
the area, and you may have to go back through your translation and make changes.

翻訳依頼を受けた直後から、その分野の勉強のスタートとなります。翻訳を進めな
がら情報を収集していき、次々に新しい情報を得ていくため、時には途中で翻訳を
やり直したり変更することもあるかもしれません。


It is important that you look around and do not use the first hit you find.
Understanding complex ideas can only be accomplished through thorough
background research, and this is the key to becoming a good general translator.

ここで大事なことは、最初にヒットしたものを使用せず、様々な情報を見回すという
ことです。こつこつリサーチをして初めて、難しい概念を理解できるようになります。
これが、良い一般翻訳者になる鍵です。

Dさん、ありがとうございます。
なるほど!翻訳の勉強だけでなく、常に最新の情報にアンテナを張り、知識を習得
する必要があるんですね。先日契約書専門の翻訳者と話す機会があったのですが、
やはり彼もたくさんの種類の契約書を日頃からよく読んでいるようです。

以前、翻訳者Rさんが言っていたように、「よい文章を読み、盗むこと」は、プロの翻
訳者にとっても大切な勉強方法なんですね。

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翻訳者・通訳者のここが知りたい!!(Part 1)

こんにちは!コーディネーターNonでっす!


さーて、9月からは 「翻訳者・通訳者のここが知りたい!!」というよくある素朴
な疑問をWSの経験豊かな翻訳者・通訳者が答えちゃいます♪

今回は翻訳者によくあるこの質問に翻訳者Dさんが答えてくれます!


"What do you do when you come across something you cannot translate?"
本当に分からなくて、翻訳できない時、翻訳者はどうしているの?

きっと誰でも疑問に思ったこともあるはず・・・さーあー Check it out!!

(以下、Dは翻訳者Dさん)

Q: As a translator, I often encounter phrases or words I cannot translate, no
matter how hard I look for the answer or scratch my head. What do you do
when this happens?

翻訳者であれば、どんなに検索しても、一生懸命考えても、うまく翻訳できないフレ
ーズや単語に出会うことがあります。こんなときはどのように対処していますか?


D:Well, if you work in an office, the first thing you do is to ask a native speaker
whose judgement you trust.

そうですねぇ、もしあなたが社内の翻訳者なら、最初にやるべきことは信頼できる
ネイティブスピーカーに聞いてみることです。


If they can’t work it out, or you work from home and have no one you can ask,
then your only other option is to contact the client and ask them to rewrite
the sentence or define the term.

それでも解決できない問題であったり、在宅の翻訳者で他に質問できる人がいな
いなら、この問題を解決する唯一の方法は、クライアントに問い合せて訳文のチェ
ックをお願いしたり、単語の定義を教えてもらうことです。


But before you go rushing off to do that, it’s best not to annoy the client
repeatedly, so save up a whole list of questions and submit them together.

しかし、クライアントに頻繁に質問して煩わせてはいけません。質問する前に質問
事項をリストアップしておいて、まとめて送るようにします。


Checklist_2


(ワールドサポートでは、このような確認表を作成し、お客様へ確認をしています。)

If you are unable to confirm the sentence or term with a native speaker or the
client before handing in the translation, take a well-educated guess, then mark
anything you are unsure of in red, and make sure you notify the client of these
areas.

納品前にネイティブスピーカーやクライアントにも問い合せることができないなら、リ
サーチと熟考をした上で訳を決めて、不明箇所として赤くマーキングし、この箇所を
クライアントに報告するようにします。


Dさん、ありがとうございます。確かに、プロの翻訳者といえども、不明な箇所があ
ったり、翻訳に迷うことは必ずあると思います。時には原稿そのものが間違っている
ということもあります。そのような時には、曖昧に翻訳をするのではなく、きちんとク
ライアントや信頼できる翻訳者に確認することが大切ですね。


日頃から、コミュニケーションは本当に大切だと私もコーディネーターをしていて、
よく感じます。そして、やはり信頼できる翻訳者は、必ずこのようなコミュニケー
ションをとても大切にしています。

まさに、“転ばぬ先の杖” ("Better safe than sorry") ですね!!

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大手自動車メーカーの現場通訳!(後編)

みなさん、こんにちは!コーディネーターNon です。
さて、今回も引き続き、スペイン語通訳者M さんのお話をご紹介します。

通訳者としてのスキルアップのため、しまいにはメキシコへ行き、スキルアップを目指す
M さん。現在ではどのような通訳業務をしているのでしょうか?


(以下、通訳者Mさん)

メキシコへ行こう!」  Jaja    Smx


そう決めた時、幸運にも同じ自動車メーカで新車立上げプロジェクト通訳として採用され
ました。今考えると、本当にラッキーです。悩むことなく渡墨を決意しました。


10ヶ月間の期間限定採用だったのですが、現場での生きたスペイン語を習得できた事
は私の財産となりました。


帰国して、再度同じ部署で通訳としてお仕事を頂きました。
1回目のグループよりも、現地での経験を生かして単語も受講生の出身部署で使われ
ている単語をいくつか列挙したりして、スムーズに通訳することができたと思いますが、
言葉の世界は奥深く、また自分自身に課題が沢山できました。


現在は9月にスペインから来日する研修生の講義の準備をしています。私にとって 
新しい講義内容です。9月から3ヶ月、また苦しい毎日が続くと思うと気が重くなりますが、
逆にまた新しい分野を学べるのでワクワクしています。

今回はスペイン研修生ですので、頭をメキシコで使われているスペイン語から、スペイン
のスペイン語に切り替えなければなりません。実は、同じスペイン語でも全く異なる単語
を使っているんですよ。

一度、メキシコとスペインからの研修生の講義を通訳したことがありますが、「メキシコで
はこうだ」「スペインでは違う単語を使う」の言い争いが続きました。

スペイン語はもともとスペインから伝わった言語だから、スペインに合わせるという考え
では、メキシコ研修生にとっては無意味な講義になってしまうこともあるので、私は両方の
言葉を尊重して通訳するように心がけています。

資料翻訳もスペイン用・メキシコ用と時間の許す限り分けています。

この業界の通訳者としての利点は、なんといっても車の生産ラインを見学できることです。
アルミホイルのような鉄板ロールから、一台の動く車になるまでの製造過程を見ることが
できます。これは貴重だと思います。ある社員の方が、「通訳は全ての工程が見学できて
いいよな」とぽつり。その方は、自動車会社勤務して30年あまり、一度全工程を見学した
ことがないとのことでした。今まで、車の製造に興味が無かった私ですが、現場では楽しく
て子どものようにワクワクしています。


スペイン語を学んでいる方でしたら、ぜひこの世界にも飛び込んでみてください。語学を学
んでいる方は文科系出身が多いので工業用語に苦手意識さえ感じる方もいると思います
が、始めてみるとボキャブラリーが増えますよ!(ですが、あまりにも特殊な専門用語を使
いますので、他の業界では役に立たない言葉も存在しますが・・。)


まだまだ私も通訳初心者で微力ですが、多くのことを吸収しつつ、来日する研修生が多く
のことを学んで、有意義な講義だったと思えるような言葉の架け橋になれるように、これか
らも精進していきたいと思います。 

             Car01        Car02

(こうした通訳者Mさんの努力があるからこそ、今日も新しい自動車の開発があるんですね!)

M さん、ありがとうございます!
「通訳」とひとことで言っても専門分野によって、時には通訳の勉強以上に多くのことを勉強
する必要があります。それは、今まで知らない世界に突然飛び込むわけですから、私たち
が想像する以上に大変なことなのかもしれません。

しかし、言い方を変えれば、今まで知らなかった多くのことと多くの人の笑顔に会える仕事
でもあります。

それが、まさに通訳者の醍醐味なのかもしれないですね。

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